賃貸借契約において 入居者が行方不明になった事例 PART1

都築です。私は不動産業界で20年仕事をしてきました。

長く不動産会社を経営していると「えっ」「まさか?」「そんなことあるの?」ということが時々おきます。

今回は入居者が行方不明になった事例をお話しします。

 

ある方が契約にいらっしゃいました。30歳代スーツを着てびしっとしている方という印象で、会話は少しぎこちなかったのですが、

スーツもきていて、普通の会社にお勤めのサラリーマンでしたので大丈夫だろうと思っていました。

住み始めて、すぐに近隣の方から連絡があり、「変な人がいる」「挙動不審な人間が迷彩服でうろうろしている」という連絡でした。

現地に行くと、確かに閑静な住宅地で迷彩服を着た人が物件の周りをうろうろしており、先日会社にきたかただとすぐにわかりました。

声をかけましたが、契約の時よりも会話がぎこちなくなっていました。契約時は、契約できなかったら困るという緊張感があったのかもしれません。契約が済んで本来の自分が出てきたと考えられます。住宅街で迷彩服を着ると変な人だなという印象があり、大丈夫かな?と心配していましたが、迷彩服を着ること自体は悪いことではないので、とりあえず様子を見ることにしました。

そんな中、あるひ突然姿を消したのです。驚きました。もちろん携帯は連絡とれません。部屋に行っても誰もいません。会社に連絡したのですが会社にも来ていないとのことで、、、

当然ですがすぐに警察に連絡しました。日本の警察は本当に優秀で、電話すると3分で現地に来てくれました。警察と一緒に合いカギを持ってお部屋の中を確認しました。お部屋には昨日まで住んでいたまんまという形で荷物が残っていました。どこへ行ったのでしょうか?

保証人である地方に住むお父様お母様にも電話で相談し、まずは戻ってくるかもしれませんので警察と相談しながら様子を見ることにしたのですが、3か月たっても帰ってきません。家賃も滞納しています。

お部屋の中で亡くなっている場合もありますし、行方不明の場合もありますし、病院でなくなるケースもありますが、それぞれ対応の仕方は多少違うのですが、基本的には一緒です。

お部屋の中の荷物を運び出す場合、裁判所の手続きを経ずに勝手に荷物を運び出すことは違法となっており、トラブルに発展するケースもありますが、保証人であるお父様とお母様に現状とリスクを説明したうえで、今回は賃借人と弊社で結んだ契約書条項にのっとり、保証人であるお父様に「息子さんが戻ってきてもライフアシストに損害賠償をしない」旨の覚書を書いていただき、お父様に荷物を引き取る形でお荷物を引き取ってもらい、契約条項にのっとり保証人であるお父様に解約の手続きをしていただきました。

さらっと書きましたが、ここも管理会社として、問題にならないように、トラブルに巻き込まれないように、お父様への話し方などいろいろと工夫が必要であり、そもそも契約書条項がどうなっているのか?保証人がいない場合は?保証人と連絡が取れない場合は?保証人の性格は?そもそも荷物がない場合は?など物件ごとに状況によってもちがってきますし、一つ一つの出来事がとても大切で対応が変わってきます。そこが管理会社としてのノウハウです。わからない方は絶対に自分でやらないでプロに頼んでください。

とっても繊細で難しいところです。