相続手続きの流れについて詳しく解説します!
遺産相続の手続きは、あまり経験がないという人がほとんどなのではないでしょうか。滅多に経験することがないうえに若干複雑な部分もあり、行う手続きも多岐に渡ります。では、相続の手続きはどのような流れになるのでしょうか。この記事では相続の手続きに関する手順や期限などについて解説します。
□遺産相続に関する手続きや期限
遺産相続は、遺産を持っている被相続人が亡くなった時点から相続の手続きが発生します。手続きの内容や行うべき期限は以下になります。
事案:被相続人が亡くなる
手続き:自治体に届出の提出
期日:亡くなったことを知ってから7日以内
事案:相続の認証方法の選択
手続き:限定承認や相続放棄を行う
期日:亡くなったことを知ってから3ヶ月以内
事案:不動産所得等があった場合の申告
手続き:所得税の準確定申告
期日:相続発生から4ヶ月以内
事案:財産の分割を行う
手続き:遺産分割協議書の作成
期日:できるかぎり早急に
事案:相続税が発生した場合
手続き:相続税の申告を行う
期日:亡くなった翌日より10ヶ月以内
特に被相続人の財産が多い場合などは、遺産分割協議や相続税の計算などに時間がかかります。
財産の多くが不動産であり現金が少なく、相続税が現金で払えないケースもあり、その際は不動産を売却するか銀行で借り入れをするかなど、考えなければないなど、いろいろと考えなければならない可能性もあります。
手続きの期限に間に合わなければ、例えば相続放棄ができなくなったり、相続税の納税が遅れ延滞税が科されたりといった恐れもありますので、事前に必要な手続きや期日を把握しておきましょう。
□ 相続の手続きにおける流れ
相続に関する流れをしっかりと理解することで、急な相続の発生時でも焦らずに計画的にスケジュールを立てることができます。相続税の納付などは10ヶ月程度の期間があるので、少し余裕があると思う人もいらっしゃるでしょうが、あっという間に期日を迎えたと感じている人も多いのです。ここからはスムーズに相続するための手続きの流れについて解説します。
相続発生における流れは下記の通りです。
ステップ1.
被相続人が亡くなったら、亡くなったとわかった日から7日以内に届出を地方自治体へ提出します。
ステップ2.
年金事務所や地方自治体で、健康保険や公的年金の廃止や停止の手続きを行います。厚生年金は10日以内(国民年金は14日以内)、国民健康保険は14日以内に行いましょう。
ステップ3.
保険会社に連絡をして、保険金の請求手続きをなるべく早急に行います。
ステップ4.
相続人を確定して、戸籍謄本の取得を行いましょう。こちらもなるべく早急に行ってください。
ステップ5.
故人の遺言書の有無を確認します。遺言書にはいくつか種類がありますが、代表的なのは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。自筆証書遺言の場合、遺言書を家庭裁判所に提出して検認の手続きをする必要があります。公正証書遺言の場合は、公証役場で公証人に作成してもらった遺言書なので、検認の手続きは不要です。なお、自筆証書遺言は2020年7月10日から、法務局で保管できるようになりました。あるはずの遺言書が見当たらない場合は、法務局に確認してみてください。
ステップ6.
名寄帳や遺言を確認して、相続財産の調査を行います。
ステップ7.
相続人は相続方法を「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の中から選択します。限定承認や相続放棄は、相続開始を知った日から3ヶ月以内に相続を行わなければならない点に注意が必要です。
ステップ8.
不動産所得などの所得があった場合は、所得税の準確定申告が必要です。相続開始を知った日から4ヶ月以内に申告してください。
ステップ9.
遺言書がない場合は、遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成します。相続人全員で、だれがどの遺産を相続するのか話し合いを行い確定します。
ステップ10.
預貯金、有価証券等などの遺産の解約や名義変更を行います。遺産分割協議や遺言書で相続人が確定次第、なるべく早く手続きを行うようにしましょう。不動産を相続した場合は、相続登記も行うようにしてください。
ステップ11.
相続財産が一定金額を超える場合は、相続税を税務署に納めます。相続開始を知った日から10ヶ月以内に納税する必要がありますので、忘れないように注意してください。
これらの手順が相続税を納付するまでの流れとなります。特に遺言がない場合の遺産分割協議や、相続税の確定など、思った以上に時間がかかることがありますので、早めのスケジュール化が必須といえるでしょう。
□まとめ
一般的に、相続になった場合相続税を払うほどの財産を相続するのは全体の10パーセント程度だといわれています。相続税を支払わなくとも、実家などを相続することは誰にでも起こりえるので相続に関して無関係という訳ではありません。しっかりと相続する場合の対策を、できるなら被相続人がいらっしゃるうちから行っておきましょう。