土地と建物の名義が違う場合の手続きや注意点をご紹介

土地や建物を売却するためには、たとえ家族親族であったとしても所有者の許可が必要になります。土地と建物をセットで売却した方が、売却活動はスムーズに進むことが多いですが、名義人が異なる場合はどのように売却を進めていけば良いのでしょうか。今回は、土地と建物の名義人が違う場合の売却方法や注意点について解説します。

 

□土地と建物の名義が違う家を売却する3つの方法

*土地のみ・建物のみで売却する

それぞれの名義人が異なるケースであっても、土地だけだったり建物だけだったりで売却することは可能です。自分が所有している不動産は自由に売却できるのです。また、例えば建物が建っている土地を売却する際は、建物の所有者の許可が必要と思われている方も多いですが、実際は許可なく売却することが可能です。その逆も然りです。

とはいえ、実際に土地のみ・建物のみで売却活動が行われることはレアなケースです。買主が建物だけを購入したとしても、土地が使用貸借だった場合は、土地の所有者から明渡請求が申し立てられる可能性があります。反対に、使用貸借になっている土地を購入したとしても、その土地を自由に使えるわけではないので買主が現れることはほとんどないでしょう。

このように、土地単独、建物単独の売却は、ニーズがない上にトラブルの原因となる可能性があるため、もし単独での売却を検討される際は必ず法律に詳しい不動産会社に相談するようにしましょう。

*土地もしくは建物を買い取って名義を統一する

1つ目の方法では、トラブルの原因になる可能性があることをお伝えしました。土地の所有者と建物の所有者が異なるが、親族関係などで話し合いが可能な場合、この2つ目の方法もおすすめです。

土地の所有者が建物を買い取ったりその逆を行ったりして、土地と建物の所有者を同じ人にします。そうすることで、土地と建物が単独名義となり、売却がスムーズに進むのです。権利関係でトラブルになる心配もありません。

*土地と建物の名義が違うまま同時売却する

2つ目の方法で売却できればいいのですが、土地や建物を買い取って名義を揃えるためにはそれなりの自己資金が必要になります。もちろん土地と建物をセットで売却できればその分の費用を回収することはできますが、買い取ってから売却できるまでにはどうしても期間を要します。そのため、一旦自己資金から買い取るだけの資金を用意する必要が出てくるのです。
このように資金が用意できない方におすすめなのが、3つ目の同時売却という方法です。同時売却は、土地の所有者と建物の所有者がお互いに「売りたいです」と思っていることを確認して、名義はバラバラでも1つの不動産として売却します。

この方法の場合、2つ目の方法とは異なり、買主は土地の購入と建物の購入それぞれの契約を結ぶことになります。それぞれの契約書の内容に「もう一方の契約が成立して、初めて有効に成立する」などの文言を入れる特殊な契約方法です。

手続きが複雑で、もし契約にミスが生じるとトラブルの原因となる可能性もあるため、ご自身で取引をするのではなく、同時売却の経験のある不動産会社に相談するようにしましょう。

 

□​​土地と建物の名義が違う家の売却が困難な場合の対処法

親名義の土地に子の​​​​名義の家がある場合、親が元気な内に「遺言書」を作成することを推奨します。複数人の相続が発生すると土地は共有状態になります。そのため、単独で所有したい場合などは、遺産分割協議で相続人全員の同意が必要です。相続人の中に音信不通で連絡が取れない人がいる場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任申立てをしなければなりません。

その他、認知症の親が名義人の場合は「成年後見制度」を利用したり、土地が借地権のケースで売却する際は、地主の承諾が必要です。

 

□まとめ

土地と建物の名義が異なる場合の対処方法を3つご紹介しました。所有者同士の関係性や自己資金額などによっても、とるべき対処方法は異なってくるため、法律に詳しく売却実績も豊富な不動産会社に相談するようにしましょう。不動産の売却をご検討中の方は、まずはお気軽にライフアシストまでご相談ください。