住宅ローンの残債があってもマンション売却はできるの?

転職や転勤、さらには新型コロナの影響で収入が激減し、住宅ローンの支払いが困難になるなど、ローンの残債があってもマンションを売却しなければならないケースがあります。今回は、ローンが残っていてもマンション売却は可能なのか、マンション売却代金がローン残債を下回る場合の対応策について解説します。

 

□ローンが残っていてもマンション売却は可能?

*マンション売却代金がローン残債を上回る場合

住宅ローンの残債がある中でマンションを売却する場合、売却代金で残りのローンを完済する必要があります。住宅ローンを組んだ際にマンションに設定されている抵当権は、自動的に消えるものではありません。そのため、抵当権の抹消手続きを行う必要があります。

抵当権抹消登記は、自分で手続きを行うか、司法書士に依頼します。売却代金がローン残債を上回っている、いわゆるアンダーローンの場合は、売却代金でローンを完済すれば、問題なく抵当権の抹消が可能です。

*マンション売却代金がローン残債を下回る場合

一方で、売却代金がローン残債を下回る、いわゆるオーバーローンの場合は、その差額を自己資金で賄わなければなりません。例えば、1,500万円のローン残債があり、売却価格が1,300円だった場合、200万円の自己資金が必要になります。

自己資金が用意できなかった場合は、分割で支払うことができません。そのため、マンションの売却代金がローン残債を下回る状態を想定して、自己資金がどのくらい用意できるかなどを調べておきましょう。

マンションの売却価格は、売る物件のエリアでよく似た物件の相場を調べたり、不動産会社に査定依頼をするといった方法があります。

 

□マンション売却代金がローン残債を下回る場合の対応策

*「住み替えローン」を活用する

マンション売却代金がローン残債を下回る場合は、住み替えローンを利用するのも一つの方法です。住み替えローンは、現在の自宅を売却しても返済しきれない場合に、住宅ローン残債を完済する資金と住み替え先の購入代金をまとめて融資してくれるローンです。

例えば、ローン残債が1,000万円、マンションの売却価格が800万円、新たに購入する住まいの住宅ローンが2,500万円だったとすると、売却価格の800万円をローン残債の返済に充て、残りの200万を新たに組むローンの2,500万円と合わせ、2,700万円を別の金融機関で借り入れるのという仕組みです。

*支払が困難な場合は「任意売却」

ローン残債が返済できない、住み替えローンの審査も通らない場合は、任意売却を選択肢の一つとして検討します。任意売却とは、ローンが残っている状態で金融機関の合意により売却できる方法です。 ローンの滞納が続き、競売にかけられた場合は相場より低い価格で売られることが多くなります。しかし、任意売却であれば、相場に近い価格で売却ができる可能性が高くなります。

 

□まとめ

ローンが残っていてもマンション売却は可能ですが、マンション売却代金がローン残債を下回ると、自己資金が必要になります。オーバーローンの場合は、住み替えローンを活用するか任意売却を検討するのも一つの方法です。