横浜市 市街化調整区域の戸建て不動産売却

ご紹介にて、自分が持っている土地を売却したいという年配の女性をご紹介いただきました。横浜市の市街化調整区域の30坪の土地で、築50年くらいの古い家が1つ建っていました。駅からバスで30分程度かかり、市街化調整区域という事で、周りに家もあまりたっておらず、お店もほとんどありませんでした。

女性自身は、その家で生まれで結婚するまではその家で住んでいたそうですが、結婚して旦那様と一緒に駅の近くのマンションを買ったので、今は誰も住んでいないとの事でした。

誰も住んでいなかったのですが、なんとなく持っていたのですが自分も高齢になり足も悪くなってしまい現地に来ることができない為自分の不動産を整理したいとの事でした。

 

最初に相談を受けたのが「築50年の家なので壊して更地にして売った方が高く売れますか?」という質問でした。

「絶対に壊してはいけません」私は全力で否定しました。

市街化調整区域とは、市街化区域が町を活性化させるために活用される地域であることに反して、市街化調整区域はあまり市街化開発をせず無秩序な市街化の拡大を防ぐ地域です。

つまり、万が一今建っている家を壊した場合、もしかすると新しい家を建てることができないかもしれないエリアという事なのです。

いろいろなお客様に言うのですが、今建っている家を壊すときは必ず専門家に、建て替えができますか?と確認した方がいいです。

 

その家付きの土地を売る時に、新しく買う人は、築50年ですから新しく家を建て替える事を考えている人が多いと思います。家がある状況で建築確認を出し、建築確認が下りた時にはじめて家を壊せばいいので、建築確認が下りなければ今ある築50年の家をリフォームして住むという選択肢があるのです。

もし、家を壊した後建築確認が下りなければ、その土地はほぼ無価値になります。

そんなリスクがある土地を買う人はほぼいませんし、いてもかなり安く買いたたかれる事は間違いありません。

 

家を壊すのはすごく簡単ですが、家を建てるのはいくつかの条件をクリアしていないと建てられないので、そこはしっかり専門家に確認してほしいと思います。

誰が見ても建てられる土地の方が圧倒的に多いのでそういうと土地は先に壊して全然大丈夫です。

 

どの不動産売却するときでも、役所の調査がとても重要です、同じような土地でも、区や市によって、どのような建物を建てられるか変わってきます。

市街化調整区域でも、市によっては建てられる条例があったりします。

○○は建てられるけど、○○はダメなどなど、様々な条例があり建てられる場合と建てられない場合があります。

もう一つとても大切なことは、その条例が未来永劫建てられる保証はないという事です。

国が決める法律に比べて、地方公共団体が議会の議決を経て決める条例は、変わりやすく、変わった時でも、なかなか話題になりにくいのでわからないうちに変更になることがあります。

 

私がご依頼をいただき調査したときは、市街化調整区域でも「50戸連たん」(今でもこの制度があるかどうかは、横浜市にご確認ください)エリアであり、

50戸連たんとはざっくりいうと予定建築物の敷地を含む半径100mの円内におおむね50以上の建築物があり 、もう一つおばあちゃんが持っていた建物が市街化調整区域に指定される前の建物であったことから、建て替えできる可能性が高いと判断しました。家を壊さなくてよかったです。(調査当時の調査であり、私の記憶も少し曖昧なので、ここは物件ごとに違うのであくまでも専門家に確認下さい)

 

不動産売却を始める前に、土地の測量が終わっていませんでしたので、測量士さんをご紹介させていただき、現地で測量を行いました。

おばあちゃんが「私は近隣の人みんな知っているし、みんなとても仲がいいのだから大丈夫よ」

時間になると 近隣のおばあちゃんが4人あつまって、和気あいあい楽しそうにお話していたのがとても印象的でした。「もう足が悪くなっちゃって、来れないでしょだから売ることにしたの~」「娘さん元気???」話が脱線して世間話へ。

こんなに和気あいあいとした測量立会は初めてです。(ふつうはすこしぴりつくことが多いです。)

判子もあっさりいただきました。

 

 

 

募集を始めると、若い夫婦からのお問い合わせがありました。

駅から遠くてもいいから自分たちの好きなおうちを建てたいので土地を探していたとの事。ただ収入予算的に土地に回せるお金があまりなく、駅から遠くてもいいと思い探していたとの事でした。

正直、駅からバスで30分ですし、市街化調整区域ですから安い値段に設定しました。。

私は嬉しかったです。とっても素敵な人たちだったのできっとあのおばあちゃんたちともうまくやれるだろうと思ったからです。

購入したいとの事で土地売却の契約決済をしました。

元々建てたい工務店があって土地を探していたとの事で、買主さんは後はこちらでやりますとの事で、不動産仲介の仕事は終わりました。

retro illustration of the countryside. Idyllic landscape.

1年後、家ができたので見に来てほしいとお話をいただき、現地を訪問しました、きれいな新築が建っていました。おうちにピンポンして、おうちの中に招いていただき、おいしいケーキをごちそうになりました。近くにおいしいケーキ屋さんを発見したそうです。

うれしかったです。リビングを広くして窓を大きくしたかったとの事で、本当に広いリビングでした。

「家を建てるので予算いっぱいいっぱいになってしまい外構は、後ですこしずつ自分でやろうかなとおもっています(笑)、無理だったらお金を貯めてお願いするかも(笑)」

との事で、確かに外構は、できていませんが、自分たちのおうちが完成してとても幸せそうでした。