建築基準法改正の話

耐震基準という言葉を聞いたことがありますか?

過去の歴史をさかのぼると、建築基準法は大きな地震があるたびに、耐震基準が厳しくなっています。

1978年宮城県沖地震が発生しました。宮城県沖地震では、全半壊の建物が4385戸、一部損壊の建物が8万6101戸という数にまでのぼったことです。

 

1981年6月に建築基準法施工例 施行

 

建築基準法施行令の改正によって新耐震基準が施行されたのは、1981年6月1日のことになります。そのため、この日以降に建築確認を受けた建物には新耐震基準が適用されていることになります。ただし、ここで気をつけたいのは、1981年6月以降に竣工(工事が完了して建造物ができあがること)した物件が必ずしも新耐震基準に沿っているわけではないということです。

 

建設に着工するのは建築確認を受けた後になります。その竣工時期で考えると、木造一戸建て住宅は早くても1981年9月~10月以降に完成した建物が新耐震基準に該当することになるでしょうし、建物によっては1982年前半頃の竣工でも、旧耐震基準で建てられている可能性があります。マンションの場合は少なくとも1年~1年半程度の工事期間が必要です。1983年以降の竣工であればほとんどが新耐震基準になると思いますが、念のため確認はした方が良いでしょう。

逆に言うとマンションであれば新耐震で1983年施工のマンションは値段も安くお勧めだと思います。

 

 

免震構造や制震構造も

 

新耐震基準を満たしているかどうかは、中古マンションを選ぶ上では大事なポイントの一つになりますが、これはあくまでも建築基準法の基準であることも考慮する必要があります。建築物の地震に対する性能は年々改良されていますので、新耐震基準よりも対策の進んだ免震構造や制震構造などの建物も増えています。

 

実際に免震構造や耐震構造で建設されたマンションは東日本大震災のときにもほとんど被害を受けなかったことが報告されています。免振マンション33棟のうち29棟(87.9%)が「被害無」で、他の4棟はいずれも「軽微」(12.1%)に留まっており、軽微な被害というのもタイルの一部欠けなどの軽いものであったそうです。また、制震マンションでは全く被害は認められず、免震構造や制震構造であることは地震に対して一定の効果を発揮したことが見て取れます。

 

 

耐震基準と地盤の強さが大切

また気になる方はマンションが建っている地域の地盤などもウェブ上で確認ができるようになっていますので、それらも事前に確認できます。そちらも大切だと思います。