不動産の共有名義人が死亡した際の手続きの方法とは?

共有名義の不動産で片方が亡くなった場合に「亡くなった人の持分は誰のもの?」「どのような手続きが必要なの?」など、その後の対応についてわからない方も多いのではないでしょうか。今回は、共有名義の不動産を相続する際の手続き方法、遺産分割協議での取得方法、不動産の評価証明書の取得について解説します。

 

□相続する際の手続き方法

不動産の共有名義人が亡くなった場合は、最初に誰が法定相続人になるのか確定しなければなりません。相続人が確定してないと、相続財産を取得する方や遺産分割などを行うことができないためです。相続人の中には、認知している非嫡出子や養子がいるケースもあるので、相続人の調査をしっかり行うことが大切です。

まずは、亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍が必要です。そのため、本籍があったすべての役所から戸籍謄本を収集しなければなりません。戸籍謄本は、各相続人が被相続人の死亡日以降に発行されたものを取得します。

 

□遺産分割協議(話し合い)で誰が取得するかを決める

不動産の相続登記をする際は、法定相続分の割合ではなく、遺産分割協議で取得するケースが多いです。夫が亡くなり、妻と子供2人が法定相続人である場合、3人で話し合います。この遺産分割協議は、相続人全員でしなければ無効となります。とはいえ、一同に会する必要はなく、全員の合意があれば電話などでも可能です。

遺産分割協議がまとまれば、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書は、相続人全員が署名・押印し、印鑑証明書も用意します。登記上、求められる書類として​​、登記簿に記載されている住所から最後の住所までの全てのつながりが分かるものが必要です。

この間に転居等が1回以内であれば、​​住民票(除票)を取得すれば問題ありません。転居等が2回以上ある場合は、本籍地で戸籍の附票を取得する必要があります。

 

□登記をする不動産の評価証明書を不動産管轄の役所で取得する

登記をする不動産の固定資産評価証明書を管轄の役所で取得します。また、​​管轄の市町村役場から「固定資産納税通知書」が毎年送られてくるので、そちらに記載されている不動産価格をコピーして提出する方法もあります。

 

□まとめ

不動産の共有名義人が亡くなった場合は、相続人の確定や遺産分割協議、不動産の評価証明書の取得など、さまざまな手続きが必要です。最近では、相続手続きを簡略化する制度として「法定相続情報証明制度」などもあります。一枚で相続関係が明確になるため、提出する書類を大幅に減らすことができるでしょう。