公示価格と実勢価格の違いについて解説します
不動産の価格について調べると、公示価格と実勢価格など、さまざまな用語が出てきます。しかし「それぞれの違いがわからない」「共通点はあるの?」などと、いろいろと気になる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、両者の価格表記の違い、正確な実勢価格を認識するための方法を解説します。
□公示価格と実勢価格を解説
*公示価格とは?
国土交通省の土地鑑定委員会が毎年発表する、地価公示法に基づく土地売買の目安となる適正な価格を指します。毎年1月1日時点で不動産鑑定士2名以上による鑑定評価をもとに決定します。全国でおよそ23,000箇所の標準地を選んで土地の価格が公表されます。そのため、必ずしも知りたい土地が標準地に選ばれるわけではありません。これを補填するのが基準地価です。基準地価は、国土利用計画法にもとづき都道府県が毎年7月1日における基準地の標準価格です。
*実勢価格とは?
実勢価格とは、不動産の売買で実際に取引が成立する価格を指します。売り手と買い手に希望価格があり、それぞれの事情で適正価格より高くなったり、低くなるケースもあります。
例えば、2,000万円の土地を売主ができるだけ早く売りたい場合に実勢価格は1,500万円になることもあります。また、立地条件がよければ買主が多くなり、実勢価格が2,500万円になる場合もあります。
過去の取引きで実勢価格を調べるには、国土交通省「土地総合情報システム」の「不動産取引価格情報検索」から検索することができます。
*公示価格と実勢価格の違い
公示価格は、国土交通省や都道府県が毎年評価・発表を行うのに対し、実勢価格は、取引ごとに成立する価格で、その都度価格が変動することが大きな違いとなっています。なお、実勢価格の目安は公示価格の1.1倍ほどになることが多いです。ただし、先ほどもお伝えしたように不動産のさまざまな事情で大きく前後する可能性は高いことを念頭に置いておきましょう。
□正確な実勢価格を認識するためには不動産査定が必要
*簡易計算では実勢価格と大きく乖離した金額になる可能性がある
公示価格などから実勢価格を知ることはできます。しかし、公示価格などから算出した価格は、あくまでも目安であって、正確な実勢価格は不動産査定が必要です。簡易計算では個別の物件に関する情報が反映されていないため、正確な数値とは言えません。そのため、実勢価格と大きく乖離した金額になる可能性があります。
*路線価を使った簡易計算だけで売却を進めるのは危険
簡易計算で算出した実勢価格を用いて売却活動を行うと、早く高く売ることができない場合もあります。なぜなら正確な実勢価格でなければ、買い手がつかなくなり、損失が出る可能性もあるからです。不動産を売却する際は、早めに不動産査定を行うのが良いでしょう。
□まとめ
今回は、公示価格と実勢価格の内容や違いなどを解説しました。前者はあくまでも目安であって正確な実勢価格を知るためには、不動産査定が必要です。売却を決めたら、早めに不動産査定を検討しましょう。土地や戸建て住宅などの不動産の査定や売買をお考えの方は、お気軽にライフアシストまでご相談ください。