今年6月からCPM(米国公認不動産経営管理士)の勉強をしています。
CPMとは、私のように不動産に関する管理を行うPM(プロパティマネージャー)にとって最高峰の認定資格であり、
米国をはじめ世界数十カ国で普及している資格です。
倫理(ETH800)から始まり、金融計算(FIN402)・メンテナンスとリスクマネジメント(MNT402)・マーケティングとリース(MKL405)・人材管理(HRS402)・不動産の融資と収益還元法を用いた不動産の評価(ASM603)と学んできました。
CPMのもっとも大切なこと
「オーナーの目標・目的を達成させる」
「オーナーの資産価値最大化」
「深い知識と倫理観を持って、オーナーや投資家が投資判断をする 際に、オーナー、投資家自らの判断を容易にする資料や情報を提供すること」
これらを達成するためさまざまな不動産に関する事柄を数字に表して提供するということなのです。たとえば購入価格と収入の関係や購入価格と借り入れの比率、また自己資本比率と実収入の比率・収入と借り入れの比率を提供し安全性をしめす、アメリカらしい合理主義的考えですが、今後人口が減る日本にはこの考え方もとても重要な考え方になるように思えます。
すでに国際的にはスタンダードになっているようです。同じくCPMを受けている西本さんはインドネシアに会社を持っているのですが、社員全員が当たり前のようにNOIがどうとか、FCRなど普通の会話の中で話されるそうです。
アパートオーナーの収益の最大化の為に、しっかりとした知識を身につけたいと思います。
先週は、不動産の融資と収益還元法を用いた不動産の評価(ASM603)
ということで
資産価値の最大化とは主にNOIを押し上げることが挙げられます。
NOIの算出の仕方はキャッシュフローツリーでいう…
GPI
▲リース損
▲空室損
▲未回収損
+雑収入
実効総収入(EGI)
▲運営費(OPEX)
営業純利益(NOI)
ここまでがNOIの求め方ですから単純に運営費OPEXの削減など、
NOIから上の部分を改善すればNOIはアップします。(キャッシュフローが上がります。)
また、不動産投資の黄金比率は…
『V=I/R』
V:物件の価値、I:NOI、R:キャップレート
ですから、
NOIが上がればキャップレートが同じであっても物件の価値つまり売却価格が上がるのです。
また、資本改善とNOIはシーソーの関係にあると言われます。
資本改善をすればNOIは上昇しますし、逆に資本改善をしなければ物件自体が陳腐化しNOIは減少します。
資本改善をするか否かは上記で申し上げた様にオーナーの目標・目的によって変わってきます。
例えば、身近な事例では洗濯置場がない物件に洗濯防水パンを増設すると、家賃が毎月3000円ほど上がります。
洗濯防水パンを増設するのにかかる費用は10万ぐらいですから、仮に増設によって家賃が毎月3000円アップしたとすると、単純にNOIが36000円/年にアップしますから投資効率としては、
3.6万円÷10万円×100=36%
になります。
空室損も圧縮出来たとすると、もっとNOIが上がりますから利回りも上がります。
逆に100÷36=2.7ですから3年弱でかけたお金は回収出来ます。
では、物件の価値(売却価格)はどうなるのか。
仮にキャップレートが6%であれば物件価値の上昇は不動産投資の黄金比率、
『V=I/R』により
3.6万円÷6%=60万円
と物件の価値(売却価格)が60万円アップします。
これが資本改善の醍醐味ですね。
但し、たまにオーナー様で勘違いされているのが、原状回復と資本改善は似て非なるものです。
資本改善は物件の付加価値が高まり家賃が上がりますが、原状回復は元に戻すだけの工事なので、家賃が上がることはありません。
ここを勘違いして家賃を上げて募集すると空室損が大きくなりますからNOIを押し下げ、実際には損をする可能性が高いです。
そうならない為にはこういった事を十分に理解しているパートナーと付き合われることをおすすめ致します。