所有者不明土地という社会問題について

時々相談員をさせてもらっていますおおた助っ人より、コラムの依頼がありましたのでアップします。

最近、新聞等で空き家、所有者不明土地の記事をよく目にされることと思います。
確かに所有者不明土地は多くの社会問題となる厄介な問題です。
全国の所有者不明土地の合計が既に九州の面積より大きく、今後放置すれば北海道に匹敵する広さに拡大するといわれています。
理由の大きな部分は所有権の登記が義務ではないからではないか?と思っています。
私が知っている行政書士さんは100人近くの相続人全員から遺産分割協議の判子を貰ったこともあるとおっしゃっていました。当然、連絡先を調査するために多大な手間暇と費用がかかることは言うまでもありません。

私が相談を受けた、不動産相続のお話では、だいぶ前におじいちゃんがなくなって、誰が取得するのか兄弟4人で話し合ったそうですが、1人だけ納得しない方がおり遺産分割協議が成立しなく、そのままおじいさんの名義のままほったらかしになってしまったとのことでした。
その後、未登記のまま相続が発生し、どんどん相続人が増えてしまい、先祖伝来の土地が明治以来、共有状態になっていて、しかも相続人の数が10人以上になっているが、その相続人たちの中に連絡先がわからない人がいるとのことでした。

連絡先を突き止めても全国に点在していたり、中には行方不明になっていたり、海外に移住しているケースも当然考えられます。
手間暇と費用を考えて、相続登記をあきらめた土地や相続が進むことにより忘れられてしまった土地が所有者不明の土地になるのではないかと考えられます。

そのような土地は、雑草や樹木が生い茂り、あるいは不法投棄、崖崩れ・また犯罪の温床になることもあり、近隣の環境に悪影響を与えているケースもあります。
このようなことをなくすためには、我々ひとりひとりが生きているうちに必ずもめない遺言書を書いて土地は誰がもらうのかしっかり決めてあげること。だと思います